赤穂美紀

今、最も注目を集めるラテン歌手
赤穂美紀★ラテンの王道。
2011年10月29日(土)18:30 START 
                                 (18:00 OPEN)

ラテンアメリカ音楽協会コンクール全国大会の覇者、そして本場ラテンアメリカでもその実力を高く評価されている日本屈指のラテン歌手・赤穂美紀。

アルゼンチンの名手カルロス・オルテガのギター
一本をバックにラテンの名だたる名曲を
       余すところ無く歌い上げます。


場所★セイドーサロン大ホール
   (セイドー外国語学院1F・JR芦屋駅、阪急芦屋川駅より徒歩5分)
    〒659-0093芦屋市船戸町12-6
    電話:0797-22-9452
     Mail: seido.music@gmail.com


日時★2011年10月29日(土)18:30開演(18:00開場)
チケット★2,500円(ペアチケット4,800円)全席自由


曲目:


  ★第一部★アルゼンチンに魅せられて。
       エル・チョクロ
       ラ・クンパルシータ
       花祭り
       想いの届く日
       タンゴ・ネグロ(黒いタンゴ)
       カミニート   
       淡き光に


  ★第2部★ラテンアメリカ歌の旅
      ラ・マラゲーニャ
      テキーラ
      コーヒー・ルンバ
      キサス・キサス・キサス
      トリステーザ
      シエリトリンド
      チコ・チコ


★お申し込みは…★
0797-22-9452 セイドーへ直接お電話いただきますか、
あるいは、seido.music@gmail.com に、お名前、お電話番号、ご希望日とチケットの枚数を
ご明記の上メールにてお申し込み下さい。










ピアニスト・田尻洋一の音楽学校♪秋学期♪

ピアニスト・田尻洋一の音楽学校♪秋学期♪
~タイトルのあれこれ~
クラシックのタイトルには色々名伝統や歴史、そして秘密が隠されています。その秘密を解き明かしながらの音楽の旅。多くのお客様のご要望にお応えして、音楽学校、開催決定です。


残券わずか!お申し込みはお早めに!!


日時★2011年9月20日(火)、10月11日(火)、11月8日(火)
     10:30開演(10:00開場)


場所★セイドー外国語学院内・セイドーサロン小サロン
      (JR芦屋駅、阪急芦屋川駅より徒歩5分)


定員★40名様限定(先着順)


チケット★各日2500円 3日間通しチケット7500円→7000円!


お申し込み★メールかお電話でご予約下さい。
        メールの場合はお名前、お電話番号、ご希望の日、チケット枚数をご明記下さい。
      
        電話:0797-22-9452
        Mail: seido.music@gmail.com


第1回 9月20日(火)~クラシックオリジナル!キャラクターピース集~


     長い歴史の中で淘汰されて残ったクラシック独特のタイトル集です。
     
     曲目★シューベルト:即興曲 / リスト:バラード第2番 / グリーグ:ノクターン
          ブラームス:カプリチォ / ラフマニノフ: 楽曲の時 他…


第2回 10月11日(火)~舞曲集 Part 2 舞曲王ワルツと共に~
     
     舞曲王ワルツを中心にPart1で紹介しきれなかった各国の舞曲をお届けします。


     曲目★ シュトラウス:皇帝円舞曲 / リスト:忘れられたワルツ / 
          モンティ:チャールダッシュ / ブラームス:ワルツ集 /
          他にラテンアメリカ魅惑の舞曲も!


第3回 11月8日(火)~標題音楽 Part 2 物語編&訳あり(?)タイトル~


     オペラのように細かなストーリーがついている曲と、ちょっと訳ありな曲集です。


     曲目★ ヴィヴァルディ:「四季」より / ウェーバー: 舞踏への勧誘 /
          シューマン:蝶々 / ショパン:別れの曲 他…ろぐいんた
★お申し込みは
0797-22-9452 セイドーへ直接お電話いただきますか、
あるいは、seido.music@gmail.com に、お名前、お電話番号、ご希望日とチケットの枚数を
ご明記の上メールにてお申し込み下さい。

田尻洋一の楽しい音楽学校2011

セイドー火曜サロン★ピアニスト・田尻洋一の楽しい音楽学校2011~タイトルあれこれ~     
クラシック音楽のタイトルには色々な伝統や歴史、そして秘密が隠されています。それらを分類してわかりやすく解説しながら、テーマに沿った名曲の数々をお届けします。全3回シリーズです。(1回
だけでもご参加頂けます。)

皆様の熱いご要望にお応えして、田尻さんの音楽学校5年目に突入です!お申し込みはお早めに!
場所:セイドー外国語学院1F小サロン
定員:40
チケット:各日 2500円 3日間通しチケット 7500円→7000円

クラシック音楽のタイトルにこだわって・・・。
①4月19日(火)10:30開演(10:00開場) 舞曲は音楽の基礎!各国いろいろ舞曲集
各国のお国柄を反映した舞曲は、音楽の基礎です。
ベートーベン:エコセーズ
バッハ:シシリアーノ、イギリス組曲第3番
シューベルト:12のランドラー
J.シュトラウス:ピッチカート・ポルカ
フォーレ:パヴァーヌ
グラナドス:灯火のファンタンゴ
リスト:ハンガリー狂詩曲第13番
②5月17日(火)10:30開演(10:00開場) ソナタって題名?形式の基礎       
現代まで続くワンパターン形式「ソナタ」の魅力を変奏形式と共にご紹介します。
モーツァルト:ピアノソナタ イ短調K310
ベートーベン:ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲
③6月14日(火)10:30開演(10:00開場) まるで映像!? 標題音楽           
タイトルずばりそのものです。各作曲家は競って作曲技術を披露しました。
ラモー:タンブリン、優しい訴え、めんどり
リスト:エステ荘の噴水
ドビュッシー:途絶えたセレナーデ、沈める寺、パックの踊り
ラヴェル:スカルボ(地の精)
ベートーベン:ピアノソナタ「告別」、交響曲第6番より「雷雨・嵐」「牧人の歌」

お申し込みは
0797-22-9452 セイドーへ直接お電話いただきますか、
あるいは、seido.music@gmail.com に、お名前、お電話番号、ご希望日とチケットの枚数を
ご明記の上メールにてお申し込み下さい。


グランドトリオ『早春に捧ぐ Vol.2』 コンサート後記

コンサート後記  ♪
2011年2月26日(土)18:30~                           
グランドトリオ『早春に捧ぐ Vol.2』                          
ピアノ:田尻洋一 ヴァイオリン:渡部基一 チェロ:長明康郎

とにかく、すごく良かったのです。会場には早くから多くのお客様がお見えになり、開場前からの盛り上がりはかなりのものでした。
コンサート前半は、ピアノソロ、ヴァイオリン&ピアノ、チェロ&ピアノのそれぞれの名曲。3つの楽器が持つ美しくも力強い音色に酔いしれました。後半はピアノトリオの珠玉の名曲、シューベルトのピアノトリオ。客席は水を打ったかのようにシーンと静まり返り、その中でシューベルトの儚くも崇高な音楽が満ちていきます。まるで演奏家の皆さんとお客様がひとつの生き物になったかのように同化しているよう。アンコール最後の曲の「ロンドンデリーの歌」では、感極まって涙を流されるお客様も。
ある男性のお客様は、「こんなに近くで、こんなにすごい演奏を聴けるなんて思わなかった。初めて音楽に感動して泣いた。」と仰っていました。返りにスタッフに「素晴らしかった!!」とお声掛け下さるお客様も。皆様、一様にお顔の表情が輝いておいででした。

巷には色々な音楽が溢れています。でも、音楽に人間が目指すべき精神性の高みを追求し、分かち合う事が出来るのはクラシック音楽の特性なのかも知れません。彼らの音楽は私たちを精神的に一段高いところへ導いてくれる。そんな気がします。
グランド・トリオの皆さんを、またお迎えできます日が近々来ますように!


★三重奏:シューベルト/ 「ノクターン」
★チェロのソロ:ベートーベン/ 「魔笛の主題による変奏曲Op.66
★ヴァイオリンのソロ:タルティーニ/「悪魔のトリル」


★シューベルト/ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調





Seido ★ Short Story Vol.3 赤穂美紀 「甘美な恋のバラード」コンサート後記

コンサート後記
Short Story♪小さな音楽物語♪vol.3
2月12日(土)16:00Open16:30 Start
Sweet Valentineでも、甘いだけじゃない、大人の歌
 今、最も注目を集めるラテン歌手・赤穂美紀『甘美な恋のバラード』
           
 彼女の歌は、ただ太陽のように
明るいのではない。
どちらかと言えば、散々降った
雨上がりの虹のように、
一種の清々しさと
全て洗い流された潔さのある
 闇を抜けた明るさなのだ。

    Amapola(アマポーラ) ★Amor(アモール・愛) ★Solamente una vez(もう一度だけ…)
    ★Adoro (アドロ) ★君といつまでも Unforgettable etc。

この日は今冬一番の冷え込み。豪雪のおそれもあるとのことで心配したのですが、何とか天気は良好。
定員40名様のところへ、それを大幅に超える多くのお客様にお越し頂きました。

この日のテーマは「バレンタイン」曲目も甘い大人の歌が続きます。彼女の声は、すごく透明で明るい。なのにその第一声は何故か私たちの心をふるわせ、なんだか泣けてしまう。不思議です。一杯一杯に生活して来た緊張がふわっと解きほぐされ、浄化されたような気持ちになるのです。
ジャズやオリジナルの歌も素晴らしかったのですが、なんと言っても圧巻はコーヒールンバと「思いの届く日」でした。彼女の真骨頂ですね。こんなに歌えるラテン歌手の方って他にいるのかしら、と思ってしまいます。
彼女は、ラテン音楽コンクールの覇者。つまり、やっぱり日本一なのですよね。さすがです。

おしゃべりも絶好調の赤穂さん。会場は明るい笑い声に満たされました。赤穂さんって、本当に素直で純粋な魂を持つ方なのだなあと思います。今回のコンサートは前回のコンサートにお越しになったお客様に混じって、初めてのお客様も多かったのですが、すぐに彼女のそのおおらかさに包まれて、彼女の大ファンになってしまうのです。

お帰りの際、「今度、いつ赤穂さんのコンサートするの?」とスタッフにお聞きになるお客様の多かったこと!もちろん、次のコンサート、企画中です!こうご期待!!!

田尻洋一のロマンティックX'mas ピアノコンサート

2010年12月19日(日) 14:00開演(13:30開場)                                         
田尻洋一のロマンティックX'mas ピアノコンサート★                                                   
コンサートチケット*2500円(ペア券・4800円)当日券3000円(全席自由)      
パーティー・チケット*1000円(ワイン、ソフトドリンク、オードブル他・・・)     

今年で5回目となるセイドーサロン自慢のコンサート。恒例の田尻洋一クリスマスコンサートが今年も開催されます。コンサート後には、こちらも恒例の田尻さんを囲んでのクリスマスパーティーも。

*曲目はクリスマスにふさわしいラインアップ*

ショパン・ ワルツ第二番 ノクターン第5番 バラード3番 
シューマン・ 幻想曲
アルベニス・入り江のざわめき タンゴ カスティーリャ
ドビュッシー・ 雪の上の足跡 レントより遅く ゴリウオークのケーク・ウオーク
チャイコフスキー・ バレエ「くるみ割り人形」組曲(田尻編)

*Party* 
コンサート終了後、田尻さんを囲んでのクリスマスパーティー!田尻さんからのオリジナルプレゼントが当たる備後ゲームも行います。お楽しみに!


田尻さんの演奏を聴いていると、それは紛れもなく田尻さんの音楽なのですが、不思議と彼の主張とかこだわりとか、技術の粋みたいなものが私たちに押し寄せて来る事がありません。もっと透明で、『個性』というような個人的な枠を排除したもの・・・。ただただ不純物をろ過し終わった音楽だけがそこに存在していて、私たち聴き手にその中で自由に思いを馳せることを許してくれる・・・。そんな感じがしました。聴き手を楽にさせてくれる。演奏者ではなく聴き手側を個性を持った個人に戻してくれる、田尻さんの音楽にはそんな不思議な魅力があると思うのです。

お問い合わせは メール seidomusic@gmail.com
                               Tel  / Fax 0797-22-9452



ピアニスト藤井快哉(Yoshiki Fujii)『秋深し。水曜日のガーシュウィン・・・。』

Seido Salon★Short Story ♪小さな音楽物語♪ Vol. 2    

ピアニスト藤井快哉(Yoshiki Fujii)『秋深し。水曜日のガーシュウィン・・・。』
2010年11月24日(水)11:00AM Start ★☆★                 

Date:  2010年11月24日 10:30 Open ⇒ 11:00 Start
Place: セイドー外国語学院1階 セイドーサロン小ホール(JR・阪急芦屋駅より徒歩5分)
Ticket: 2,000円 (セイドー外国語学院窓口にて販売中。)
     お電話・メールでもお申込頂けます。電話:0797-22-9452


もう15年近く前のことです。
初めての飛行機。初めてのアメリカ。初めての留学。
夕暮れ時に乗り込んだ空港から大学に向かうリムジンが、何もない暗闇に向かって

地平線をひた走る時、    
 「どこまでもこうなのだろうか…?」と不安に襲われたのを覚えています。
留学先のインディアナ州ブルーミントンは、神戸と違って山も海もない田舎。
そんな中、大学やバーで聴いたジャズは、
広大な大地で生き抜く力強さや希望に満ち溢れていました。
日本に帰ってきてから懐かしい留学時代を思い出しつつ弾き始めたガーシュウィンは、
洗練された街・神戸と田舎・ブルーミントンのイメージそのままに
私の中に浸透していきました…。                                                     藤井快哉

 

川島基ピアノリサイタル★コンサート後記


シューベルト国際ピアノコンクール優勝、
スクリャービン国際ピアノコンクール優勝、ブゾーニ国際ピアノコンクール入賞、他、数々の受賞歴を持ち、                世界各国の名門交響楽団と共演、今や、ドイツを中心にヨーロッパ全土で活躍する期待のピアニスト、川島基が晩秋の芦屋でその真髄を奏でる。
20101114日★コンサート後記
この日は朝から快晴。川島さんはお昼前に、岡山のご実家からサロンにお越しになりました。岡山では、母校の高校にてオーケストラ部の生徒さん達とベートーベンの「皇帝」を演奏されたとのこと。アマチュアとはいえ、高校生の皆さんのやる気と潜在能力の高さに頼もしさを感じ、大変良い音楽会になったと仰っていました。さわやかな笑顔にその手応えの程が滲みます。
セイドーのコンサートは、アーティストの皆さんは、サロンというホールよりアットホームな空間ということもあってお話をされながら演奏会を薦められる方が多いのですが、川島さんは「いやー、僕、演奏会に入ったらしゃべれません!ご勘弁を!!」と。川島さんの演奏家としての実直で生真面目な面を垣間見た気がして、なんだかとても微笑ましいなと思ってしまいました。
演奏会は、実に柔らかで深いショパンのノクターンから始まりました。シューマン、そしてベートーベンの「月光」。それぞれの時代にやはり実直に生きたであろう作曲家達一人一人の息遣いが川島さんの感性を通して、時を超えて私たちに伝わって来ます。後半はシューベルトのソナタの大曲。派手さや華麗さとはほど遠い、けれども真摯で深淵なシューベルトの音楽は、川島さんの今までの音楽人生の歩みを彷彿とさせるようで、演奏が進むにつれ、会場もまるで大作の小説を読み進んでいくかのような緊張感と集中力に満たされました。声高に何かを訴えるのでも、感情を吐露するのでもなく、もっと淡々と、何かを訥々と語るような感じで、だからこそ私たちに湧いてきたものも派手な感激ではなく、内から湧いてくるような感慨のようなものだったような気がします。
いつもサロンにお越し下さる女性のお客様は「一つ一つの音にあんなにも集中して心を込めて演奏されるなんて!その姿にまず感動を覚えました。」と感想を語られました。また、別の男性のお客様は、「じっと不動の精神で真剣にピアノを弾いて下さった。その熱意が素晴らしい。ああいう若い世代の人がいるんだね。」と、まるでご自分の息子さんを見るような目で語られました。
演奏会後、川島さんはドイツでの生活のこと、音楽のこと、色々お話下さいました。その中で最も印象的だったのは、日本人としてドイツでヨーロッパの音楽を奏でる演奏家としての立場のこと、そしてこれからのクラシック音楽の行方についての危惧とご自分の役割について真剣にお考えになっている事でした。今やCDやDVDが何時も手に届くところにあり、演奏会に足を運ばなくても気軽に音楽を楽しめる時代です。それはそれで良いのかも知れません。けれど、やはり、人間なのだから、同じ空気を共有して、お互いに反応し合い、お互いを高め合う形で音楽に触れて欲しい。特バーチャルな世界が当たり前になって行く若い世代の人たちにこそ、演奏会に足を運んで、五感を使って味わって欲しい。それが川島さんと、セイドーの一致した思いです。
川島さんはドイツに渡られてからもう12年になるそうです。「そろそろ日本が恋しくなってきました。」とのこと。きっとドイツでも忙しく演奏会に飛び回って活躍しておられるのでしょうが、川島さんのような、本場での経験豊富な若い気鋭の演奏家さんたちに、そろそろ日本に帰ってきて欲しいなあというのも日本の音楽ファンの正直な気持ちです。
川島さん、素晴らしい演奏会を有り難うございました。
川島基さんのHPはこちらから。http://www.motoi-kawashima.com/jp.index.html

ラテン歌手★赤穂美紀。彼女と、歌と、その魅力。

彼女の歌は、ただ太陽のように明るいのではない。                                     
どちらかと言えば、散々降った雨上がりの虹のように、                           
一種の清々しさと、全て洗い流された潔さのある、闇を抜けた明るさなのだ.

ラテン歌手・赤穂 美紀。彼女と、歌と、その魅力。                                       

私が彼女の歌を初めて聴いたのは、去年の4月、雨が降るか降らないか、なんともすっきりしないお天気の、ちょっと気だるい午後でした。地下に潜るような形で階段が伸びる、とあるレストランでの小さなコンサート。普段、あまりこの手の音楽のコンサートに馴染みのない私は、何が始まるのかという漠然とした思いを胸に、ただぼんやりとその穴蔵のような妙に心地の良い空間に身を置いていました。「ただ、ぼんやりと」座っていた理由は他にもありました。私はその頃、まるでエアポケットに入ったかのように人生に迷っていました。多分、誰もが経験すること・・・。でも、私の心には長い間消えない雨雲がずっと居座っていました。

ところが・・・。

彼女が歌い始めた時、何かが私の中で変化し始めました。彼女の佇まいも声も本当に明るくまぶしかった。ラテンの言葉とリズムに良くマッチしていました。でも、それは、ただ弾けるように眩しいというのではなく、もっと 違った耀きを湛えていました。「なんなのだろう・・・これは。」 私はしばし彼女の歌に聴き入りました。

最後の歌に差し掛かった時、私の疑問は突然解けました。Tristeza。ラテン語で「悲しみ」という意味の題名とは裏腹に、明るいアップテンポのこの曲は「悲しみよ、君は長い間私の胸に居座ってくれたね。でも、もう、さよならしましょ。」と語ります。

音楽とは本当に不思議なものだと思います。さっきと状況は何も変わっていない。それなのに、負の感情にどっぷり浸かって身動きが取れなくなっていた私の心は明らかに数分前とは違い、前を向き始めていました。メロディーと歌詞の力だけではありません。彼女の声には、ただ太陽のように明るいのではない、どちらかと言えば、散々降った雨上がりの虹のように、暗闇を越えた後の一種の清々しさと、全て洗い流された潔さのある、ある意味人生を達観したような大人のおおらかさが宿っているように聞こえたのです。私は彼女のその声に、他の人とは決定的に違う何かを見つけたような気がしました。



この人は一体どんな人なのだろう・・・。この境地にたどり着くまで、一体、どんな人生を歩んで来られたのだろう・・・。私は彼女の歌と共に、彼女の人となりに興味を持ち始めました。彼女の師は、入門当初、多数の門下生の中で彼女がそう目立つ存在ではなかったと名言しています。師の言葉を信じるならばおおよそプロの 歌手になるタイプではなかった彼女はしかし、黙々と努力し日々精進を重ねたそうです。実は、最近、彼女を 長年知る方に、彼女の10年前の歌声が入ったテープを聞かせていただく機会がありました。まだ20代。生来の明るさは認められるものの、その歌声は少し不安そうに、儚げに聞こえました。何かに迷っている、あるいは、まだ自身のスタイルに確信がない、そんな感じでした。なんとなく微笑ましくもあり、彼女の隠された一面を垣間見たような気がしました。そして、思ったのです。自分に自信がなかった時期がある。自分の中にあるものをどう打ち出すべきか模索していた時期がある。この迷いこそ、今の彼女の魅力の原点ではないかと。常に自分に自信があり、迷わない人に人の心を打つ歌が唄えるでしょうか?私はこの繊細さこそが歌う側ときく側の心を繋ぐものなのではないかと思うのです。この10年間、女性にとっての20代から30代は、ワインに例えるならばボージョレヌーボーの初々しさから成熟期を経て芳醇な香りを湛え始める時間かも知れません。彼女が女性として、また、歌手として、何を感じ、どう歩んできたのか私たちには知る由もありません。しかし、心をこめて、真摯に歩んできたであろう彼女の今までの人生の結晶を、その爽やかな歌声を通して共有できる事は、私たちの人生にも鮮やかな彩りを添えてくれることでしょう。

Seido Short Story 小さな音楽物語★赤穂美紀ライブ

Seido Salon★Short Story ♪小さな音楽物語♪

Short Storyシリーズは、毎日のお買い物やお友達とのカフェの帰りに、ちょっと立ち寄って本物の音楽を味わう、そんな日常の心のLuxuryをご提供する、1時間ちょっとの小さなコンサートです。
Vol.1★ラテン歌手・赤穂美紀スペシャルライブ              
2010年9月18日 (土) 16:00 Open ⇒ 16:30 Start      

夏の名残の夕暮れに。ラテンと、ボサ・ノバと、それから・・・。


赤穂  美紀。
彼女の歌を一度でも聴いたことのある人は幸運です。
なぜなら、その人は
「音楽というのは、本当に、空っぽになった心に降り注ぐ
慈雨のようなものなのだ・・・。」
ということを体験した人のはずだから・・・。

曲目:Trieste・・・悲しみよ、長い間私の心に居座ったわね。でも、もう、さよなら。
    His Eyes Are on a Sparrow・・・一羽の雀にさえ、神様は目を注がれる。 
                            他、ラテンと、ボサ・ノバと・・・。

PIANO:宮川真由美(Pf)


Place: セイドー外国語学院1階 セイドーサロン小ホール(JR・阪急芦屋駅より徒歩5分)
Ticket: 2,000円 (セイドー外国語学院窓口にて販売中。)
     お電話・メールでもお申込頂けます。電話:0797-22-9452
赤穂さんのHP http://www.akomiki.com/


Seido Salon ★Short Story ♪小さな音楽物語♪が始まります!!

セイドーの新しいコンサート・シリーズ、『Seido Salon ★Short Story ♪小さな音楽物語♪』が始まります!! このシリーズは、セイドーのコンセプトのひとつである「音楽をもっと生活の身近な場所に」を実現するために企画しました。お買い物やカフェの帰りに、ちょっと寄り道をして音楽を聴きに行く感覚でコンサートに足を運んで頂けるような、短い、短い音楽会です。限定40名の小サロンで、演奏家さんとの距離がこれ以上無理~というぐらい近く、お客様と演奏家さんの対話の中で進むコンサートです。
第1回目は、今、最も輝いているラテン歌手、赤穂美紀さんをお招きして9月18日(土)16:30にスタートです。乞うご期待!!

大好評でした!田尻洋一さんの火曜サロン第2回「ショパンVSリスト」

田尻さんは、根っからの「晴れ男」だと思います。2006年、サロンのこけら落としの日の天気予報は「台風上陸」。でも、予報を大きく裏切って朝から快晴でした。田尻さんのコンサートで雨が降ったことは今までに一度もありません。この日の火曜サロンも初夏を思わせる美しい朝にスタートです。

今日のテーマは「ショパンVSリスト」。このあまりにも有名な二人の作曲家も、田尻さんのフィルターを通して見ると、心を尽くし傷つき迷い精一杯生きた二人の人間像が浮き彫りに。。。リストはその時代のスーパースター。才能をフルに活用し、心の赴くままにスキャンダラスに生きた人でした。でも、その破格のパワーと財力は己の為だけに費やされたのではありません。ワーグナーをはじめとする名だたる音楽家に、これまた破格の援助をし、挙句、命まで救ったこともあるのです。対するショパンは生涯、なんと10回程度しか公開演奏会を開いたことがなかったとか。彼はリストと違い、人に囲まれたり積極的に才能を披露したりすることが苦手でした。そしてこの全く正反対の性格をもつ二人のそれぞれの苦悩、そして音楽・・・。

田尻さんの演奏を聴いていると、それは紛れもなく田尻さんの音楽なのですが、不思議と彼の主張とかこだわりとか、技術の粋みたいなものが私たちに押し寄せて来る事がありません。もっと透明で、『個性』というような個人的な枠を排除したもの・・・。ただただ不純物をろ過し終わった音楽だけがそこに存在していて、私たち聴き手にその中で自由に思いを馳せることを許してくれる・・・。そんな感じがしました。聴き手を楽にさせてくれる。演奏者ではなく聴き手側を個性を持った個人に戻してくれる、そんな不思議な魅力があると、この日再確認しました。

以前、興福寺の阿修羅像が一般公開された際に、友人と、「なぜ阿修羅像はあれほどまでに素晴らしいのか」と言うことを話したことがあります。で、私たちのつたないながらも考えた結論は、「作品に作者の名前が書かれていないからではないか」と言うことでした。作品に自分の名前を書くと、どうしても上手く作りたい、少しでも名前を上げる作品にしたいという欲がでてしまう、でも作品に名前を入れないと決めていたらどうなるか、自我が消えて、そこから初めて作品そのものとの純粋な対話が始まるのではないか・・・。

そんな事を、田尻さんの佇まいと重ねて聴き入ってしまった90分でした。
最後に、普段は「音楽のことなんて全然知りませーん」と言ってはばからない某スタッフの一言。
「いやー、面白かったわー。ショパンもリストも人間やってんねー。これはもう是非ともクラシックに興味のない人にこそ参加して欲しいわー!」・・・だそうです(笑)。


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川島幸子さんコンサート後記

2010年5月9日(日)川島幸子ソプラノリサイタル「ベルリンの風」後記

ソプラノ川島幸子さんのコンサート「ベルリンの風」が母の日の爽やかな日曜日に行われました。
伴奏のご主人、川島基さん。曲の解説やオペラのお話も沢山してくださいました。

赤いドレスが艶やかな幸子さん。ご夫婦らしい一コマです。

残念ながら歌ってらっしゃる最中のお写真は、シャッター音がするといけないので撮影出来ませんでしたが、その流麗なる歌声と確かな技術はさすが!会場を魅了して余りあるものでした。特に、モーツァルトの『夜の女王』は圧巻でした。
幸子さんは、おしゃべりと歌を両立するのは喉に負担をかけるそうなので、おしゃべりはご主人が担当。ソフトな語り口はとても魅力的でした。最後、アンコールの曲目は幸子さん自らが説明されました。麗しい歌声とはまた違った、ソフトで可愛らしい声に、会場の皆様もうっとり。本当に素敵なお二人に、拍手は鳴り止まず
幸子さんは再三再四、舞台にご登場。コンサートの後のお茶の時間も、ファンの皆様に囲まれて、和やかな時をご一緒くださいました。
13日には、ドイツでのオペラ『魔笛』のリハーサルの為、ドイツに戻られた幸子さん。きっと、素敵な『夜の女王』のデビューとなることでしょう。幸子さん、基さん、ありがとうございました。次回は、11月、基さんのピアノリサイタルです。もうチケットは発売しています。好評につき、お早めに・・・。
 

火曜サロン・田尻洋一「音楽家に出逢う旅」ショパンとメンデルスゾーン

4月27日(火)火曜サロン「音楽家に出逢う旅」第1回はメンデルスゾーンとショパンのお話。この日は朝から快晴で、爽やかな風が心地良い日でした。メンデルスゾーンはユダヤ系銀行家の御曹司。彼の邸宅は当時の芸術文化を担うビッグネームが出入りするサロン的な場所でした。でも、彼にもそれはそれは苦しい社会との軋轢や心の葛藤があったのですね・・・。ショパンとほぼ同い年のメンデルスゾーン、そしてかたや祖国を愛しながらも生涯その土を踏む事ができなかったショパン。なんとか音楽家として異国の地ウィーンやパリで、あるいはドイツでその地位を築こうとした若き二人の葛藤。田尻さんが「彼らも仏教に出会ってたらもう少し自然体で上手く生きられたのにね(笑)」とおっしゃったのがなかなか興味深かったですね。自然の流れに委ねて生きる、難しいですが、一番上手な生き方なのかも知れません。田尻さんのその自然体の佇まいと重なって、スッと心に響きました。第2回目はリストとショパン。どんなお話が飛び出すのか、演奏とともに楽しみです。残券わずかですが、まだあります。是非、皆様、いらしてください。 田尻さんのHPはこちらからhttp://www2.ocn.ne.jp/~y-tajiri/

田尻洋一の音楽教室

田尻洋一の「音楽家達に出逢う旅。」
ショパンと同窓生たち(全3回)
当サロンの人気シリーズです。知られざる音楽家達の横顔や人生の風景にスポットを当てながら、名曲を味うと、また違った感情が心から湧き出てくるのを感じます。火曜日の午前のひと時をご一緒しましょう。今回は、ショパンと同世代を生きた作曲家3人の人生を辿っていきます。
第1回4・27(火)言葉のない詩・ショパンとメンデルスゾーン
第2回5・18(火)ザ・ライバル・ショパンVSリスト
第3回6・22(火)葛藤・・・心の旅 ショパンとシューマン
(いずれも10:30~12:00)